Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2017/05/13

ふたたびJMクッツェーの動画です

5月10日(水曜日)、人権擁護組織によって開催されるマーチ(アルゼンチン最高裁が76年からの軍事政権時代に行われた誘拐、拷問など人権侵害の罪でいま刑に服している軍人たちの刑期を半減させる判決をしたことに反対するデモ)のために(下の付記参照)、JMクッツェーが『夷狄を待ちながら』の冒頭部分を朗読する動画がアップされています。朗読に入る前はスペイン語です。



 場所は、後ろの書架のようすを見ると、図書館か資料室のようなところですね。
 クッツェーが述べていることは、76年以降のアルゼンチンの軍政時代と南アフリカのアパルトヘイト政権下の拷問などについてだと思われます。スティーブ・ビコが虐殺されたのが67年、76年にはソウェト蜂起が起きました。
 この動画は、facebookでデイヴィッド・アトウェルさんがシェアしてくれました。Muchas gracias, David!

付記:MSさんの情報によれば──そこで議会はその判決には問題があるので、判決を一時的に差し止めるよう働きかけ、その動きは街路にも波及した。作家たちも抗議に加わり、クッツェー氏もその流れに賛同し、MALBA(ラテンアメリカ芸術博物館、公立ではないパトロンが複数いるNGO運営の美術館)での講演を中止した。

つまり、クッツェーはこの判決に抗議するために(付記:というか10日に予定されていた講演とマーチがぶつかるので、マーチと連帯するために)、MALBAで予定されていた講演を延期し(アリアドネの糸社から出版した個人ライブラリーの話をする予定だったらしい)、その代わりに翌日、『夷狄を待ちながら』から朗読したようです。
 
MALBA で予定されていた講演は次回9月にかならず行うと約束したと伝えられています。https://www.facebook.com/museomalba/photos/rpp.35416449206/10155330947624207/?type=3&theater

スペイン語のできる方は、こちらの記事をぜひ!