Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2017/01/05

2017年はアディーチェがブレイクしそうな予感が


お正月早々、今年はアディーチェでブレイクしそうな予感を強く感じる出来事が......

 まず、1月7日(土曜日)のTBS「王様のブランチ」で西加奈子さんが、アディーチェのヒット作『半分のぼった黄色い太陽』を取り上げてくれました。
 羽田圭介さん、西加奈子さん、村田沙耶香さん、朝井リョウさんの4名が2017年に一押しの作家を紹介する“作家サミット”という企画で、村田沙耶香さんがJMクッツェーの『イエスの幼子時代』を、西加奈子さんがアディーチェの『半分のぼった黄色い太陽』を一押し。なんと、アディーチェとクッツェーの本が仲良くならぶという奇跡が起きました。
 アディーチェとおなじ年の生まれの西さんには、昨年10月に出た『アメリカーナ』の帯もいただきました。おまけに雑誌「SPUR」にはアディーチェへの中身の濃いインタビュー記事が載ったばかり...本当に、Muchas gracias! 

 そして翌8日(日曜日)の朝日新聞と日経新聞に『アメリカーナ』の書評が載りました。朝日新聞には作家の円城塔氏の「移住が身近な時代の差別と日常」というタイトルの評が、日経新聞にはこれまた作家の松家仁之氏の「情報豊か アフリカの若者の恋」という評が掲載されるという、ダブルの書評掲載となりました。
 それぞれが異なる視点、異なる切り口で、この本の重層的で今日的なテーマに光をあてながら、作品の特徴やその入口を指し示してくれています。

また、文芸誌「すばる」2月号にも倉本さおり氏の「時を編み込む豊かな言葉」というタイトルの『アメリカーナ』評が載っています。作品や作家の視点にぐんと寄り添って、物語の魅力と核心をじわりと伝える嬉しい評です。

 作品は出たばかりのときは蕾のような存在で、読者に読まれてはじめて花開くもの。これからアディーチェ作品がより多くの読者に出会うことを祈って!