Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2015/08/16

パウル・クレーと夏日記(15)──魚マジック

今日は、どんどん進んだ。ひたすら進めた。雨が降った。
「今日のクレー」は、ふたたび、魚。おなじ絵を二つならべてみる。トーンがずいぶん異なる。


夏休みの絵日記を書きあぐねている小学生の息子に、なにをしたか、感情ぬきに日記を書くといい、と親たちはいった。すなおな彼はそれにしたがって書いた。
 すると先生が、なにを感じたかをもっと書きましょう、と余白に書いてきた。むむむ。「嬉しかった、楽しかった、悲しかった」そればかり⭕️をつける国語の授業。共感の押し売りに近い主観表現の吐露ばかり。これはもうやめたほうがいい。
 むしろ、事実を描写する、行動や動作を的確な表現をもちいてあらわす、そういう細部を書き出す訓練をする、あるいは、秩序立てていいたいことを述べる構成力をつける。そういう文章力をきたえる指導をすべきだと思う。

 日本語のために。日本語人のために。