Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2015/03/08

話題のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

今朝、PCを開けていつものように、さて仕事しようか、と思って少しあちこち見ていると、いきなり『半分のぼった黄色い太陽』No1! といった、冗談かなと思うような文字列が目に飛び込んできました。Amazonで! とあるので、すぐに飛ぶと、なんと157位!
 ひやあ! と声をあげてしまいました。こんなこと初めてだもの。
 
 つい先ごろ直木賞を受賞した西加奈子さん(改めて、おめでとうございます!)が午前7時からのTV番組「ボクらの時代」でこの本をあげてくださったらしい。番組を見ていないから、らしい、としか言いようがないのですが。Muchas gracias!

 拙訳『半分のぼった黄色い太陽』が出た2010年の夏から秋にかけて、あちこちに書評が載って、作家自身も来日して、幸いなことに、二段組みで500ページ近くもある本を多くの人に読んでいただけたのは本当に嬉しかったけれど、当時はまだ「戦争」ということばは読者を遠ざけることばだったなあと、遠い記憶となってよみがえります。わずか4年ほどのあいだに、そのことばがこんなに切迫感をもってくるとは・・・。

 ぜひぜひ、この『半分のぼった黄色い太陽』の映画が日本でも公開されてほしいものです。

 いま、そのアディーチェの We Should All Be Feminists という冊子を訳しています。今日3月8日は国際女性デー/International Women's Day ですから、それにふさわしいテーマ。それほど長くないので、翻訳の作業そのものはもうすぐ終わります。
 内容は、以前、ここでも紹介したアディーチェのスピーチを文章化したものです。「神奈川大学評論」が創刊80年記念号を組むのでその柱になる予定と聞いています。

 ビヨンセがここからことばを採って彼女のアルバム Flawless に入れて歌い、グラミー賞にもノミネートされたテクストです。すでにフランス語にも、ポルトガル(ブラジル)語にもなっているのですね。
 その後はまた新作長編『アメリカーナ』の翻訳にもどります。日々こつこつと。