Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/07/21

先日他界したゴーディマへのクッツェーのコメント

 ナディン・ゴーディマがヨハネスブルグの自宅で7月13日、子供たちに看取られて亡くなった。享年90歳。

 作家ゴーディマの訃報のあと、15日に同時代の南ア出身の作家として、J・M・クッツェーがBBCに語ったことばがここで読める。備忘録のためにここに訳出しておく。


 作家として、そして人間として、ナディン・ゴーディマは手本とすべき勇気と創造的エネルギーをもって、彼女が生きた時代の大きな試練に対し、つまり、南アフリカの人びとに理不尽に課され、残酷に実行されたアパルトヘイト制度に対して応答したモデルとして19世紀の偉大なリアリズムの小説家に倣いながら、彼女は一連の作品を書いたが、その作品には20世紀後半の南アフリカが永遠に消えることなく記録されている──J・M・クッツェー