Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/07/11

11月にアデレードで「世界横断 J・M・クッツェー祭」

J・M・クッツェー、「世界文学の作家」という呼称がこの人ほどぴったりくる作家もいないかもしれない。現在74歳。来年の2月で75歳を迎えることを祝い、記念して、この11月に3日にわたって、彼の名前が冠されたアデレード大学「J・M・クッツェー創作センター」の主催で、とびきり面白そうな催し物が開かれる。 

TRAVERSES: J.M. Coetzee in the World 


11-13 November 2014 




この作家がこれまで成し遂げた仕事に敬意を表するため、また彼の仕事が広く研究者や創作者にあたえたインパクトを探るため、世界的なクッツェー研究者が集まって3日間のコロキアムが開かれるそうだ。
 
 コラージュされている写真がまたすごい。瞠目! 幼いころ、というか、赤ん坊の写真から始まって、幼児期、少年期、青年期、壮年期、そして、つい最近のものまでずらりと並んでいるのだ。『少年時代』を思わせる小学生時代のもの、斜にかまえたハイスクール時代のプロフィール、髭を生やしはじめた『青年時代』の写真、そして作家になってからの、クッツェーふぁんにはおなじみの写真まで。

 これはきっと、自伝的三部作『サマータイム、青年時代、少年時代』の読者の方々にはたまらない面白さではないだろうか。作品を読みながら、この章に描かれているのは、この25枚のコラージュのどの辺にあたるかな、なんて考えながら読むことができるのだから。
 訳者としても、初めて見る写真がたくさんあって、へえ〜っ! と声をあげてしまった。

 催しにはさまざまな展示、ステージ、発表、議論や討論が予定されているらしい。もちろんクッツェー自身の朗読もあるそうだ。これは面白そう! 困ったなあ、またまた、南半球までのこのこ出かけていきたくなるじゃないか。