Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/04/16

ローズマリーとローレルの花

今年もローレルの花が咲いた。4月は雨が少ないせいか、ずいぶんたくさん花をつけている。


 接写してみると、十文字に開いた白い四枚の花弁(ガクか?)のなかに、それと交差するようにまた4枚の黄色い小さな花びらが開き、そのまんなかに黄緑色のまるい蕾状のものから白い房が突き出ている。なかなか複雑な構造である。
 いつものように伸びた枝を少し切って、近隣の方々にもらっていただいた。

 ついでにローズマリーの花も切った。花を切る、というより、つんと伸びた枝を途中でバッツリ花ばさみで切るのだけれど、花は枝の途中から下についているので、ローズマリーを花瓶にいけるのはなかなか難しい。もっぱら細い針状の葉を乾燥させて、肉や魚料理に使うのがいいかもしれない。これは野に咲く花として楽しむのがふさわしい。薄い紫色の花の色は半月ほど前に、94歳で他界した母の大好きな色だった。

 今年は冬に雪が降った。積雪の重みでローズマリーの茂みが四方八方に枝を広げて、いささか不格好な形になっている。少し剪定してやるが、なにしろ硬い。花ばさみで何本も切っているうちに、手にあたった部分が赤くなって、痛くなってきた。皮下出血だ。使い慣れない道具をもって、夕暮れ前にそそくさと退場する。

 気がつくと、ずいぶん日が長くなってきた。
 さんざんな3年ではあったけれど、花は今年も咲くのだ。そしてこれからもしばらく、命あるものは生きていくのだ。願わくば、身のまわりの多くの命たちに恥じない生き方をしたいものだ。