Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/03/17

わたしが一番きれいだったとき/When I was most beautiful.


When I was most beautiful.




茨木のり子の代表作ともいえる詩「わたしが一番きれいだったとき」は、60年代にピート・シーガーが曲をつけて何人もの人が歌ってきたものだ。しかし、迂闊にも今日まで、そのことを忘れていた。この詩が英訳され、こんなふうに歌われているのを聴くまで。
 
 茨木のり子さんは、めったに詩集のお礼は書かないけれど、といって、わたしの三冊目の詩集『愛のスクラップブック』を読んだ感想をハガキに書いて送ってくれた人だ。とても嬉しかった。嬉しかったのに、考えの足りない、未熟者であるわたしは当時、それに適切な応答をする術を知らなかった。思えば、一生の不覚だ。
 それ以後、詩の世界と距離をおかねばならなかった事情もあったが、正直いって、そのような個人的事情よりも、むしろ、92年の、バブル崩壊後の日本社会に蔓延していた空気──バブルは崩壊したけれど、まだ現状維持が可能なのではないか、というファンタジー──のなかに、わたしもまたどこか安易で、不毛な、逃げ道を求めていたのかもしれない。

 もう一つ別のテイクがありました。おなじ女性の声ですが録音はこちらのほうがいいかも。



追伸:この動画で歌っている女性シンガーがだれかわからなかったので、facebook に質問投稿したところ、幾島幸子さんが調べてくれた。ピート・シーガーの姪、Sonya Cohen という人らしい。Muchas gracias!
  ちなみに、この歌、「デモクラシー・ナウ」のエイミー・グッドマンが来日して取材し、東京から発信した3つの動画の2つめ、沖縄の基地問題を論じたものの最後に流れた曲です。

http://democracynow.jp/video/20140115-1