Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2013/12/29

J. M. クッツェー:ノーベル文学賞受賞から10年

facebook でクッツェー・ファンクラブと思われるアカウントが、2003年のノーベル文学賞授賞式のバンケットスピーチをアップしていました。ここにもアップしちゃおう!

 あれからちょうど10年。



 63歳のジョン・クッツェーです。スピーチの内容は、パートナーのドロシーとの会話から始まり、生きていたら99歳半になっていたはずの母親との、時間を超えた想像上のやりとりをつづった小話で、なかなか心にしみるものがあります。途中、会場ではどっと笑い声があがりますが、10年前にこの映像を見たときは、クッツェーが笑いをとっている、とちょっと子気味よい驚きがありました。
 ドロシーさんがなにやら笑っているのは、また、ジョンったら、作り話して・・・なんて思っているのかもしれません(笑)。

 でも、この小話、ちょうどいま、彼の三部からなる自伝的作品の第一部『少年時代』のゲラを読んでいる63歳の訳者には、なんだかしんみり心に響いてきます。