Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2011/03/18

日記ふうに

 机にむかうと正面の窓からカンヒザクラの紅色の花がみえる。大きく揺れた先週の11日にはまだ、ほんの少し咲いていただけの花が、今日は明るい光のなかで勢いよくつぼみを開いている。つぐみも鳴いている。(写真はネット上のものを拝借)
 
 福島第一原発はいくばくかの放水はあったものの、熱はとれないし、まだまだ危険な状態がつづいている。熱を下げるための、爆発を起こさないための、賢明の努力がつづいているようだが、浜岡原発は東海沖地震の予測/警告にもかかわらず運転をつづけているというニュースも入ってくる。

 奇跡的にこのまま熱をさますことに成功しても、事態は長期におよぶ。腹をくくって暮らすしかないのだろう。ときどき美しいものをながめたり、肩のこりをほぐしたり、友人の声を聞いたりして。

 私はこの一週間にアディーチェの第二短編集に入れる短編を数編、すでに訳してあったものを見直してしあげた。こういうときは節電のためにもあまり出歩かずに、できる範囲で対策をとりながら、いつもの仕事をする、それがいちばんのように思える。定期的にニュースをチェックしながら、国境なき医師団に少しの寄付をして、家族、友人などの安否もちらほら確認しあって。

 車を日常的につかっている友人のなかには、しばらく車を使わない、と決めた人もいる。自分の足を使う。できるだけ公共機関を使う。そうすればガソリンなどのエネルギーを節約できるから。そうね、その分、空も青くなるかしら、とわたしは笑って答えた。

 買い物は、停電との兼ね合いもあるけれど、生鮮食料品だけ足りないものを買い足す。料理もふだんどおり行っている。
 暖房は灯油ストーブと旧式のガスストーブなので電気は不要。
 
 ひょっとすると6時20分から停電になるかもしれないと思われた、昨夜のわが家の夕食メニュー:
 
  鮭のバジルオイルソテー
  グリーンサラダ
  小松菜と油揚げの煮浸し
  なめこのみそ汁
  白菜漬け
 
 いつもより少し早めに準備にかかり、サラダや煮浸しを先に作り、5時半ころに鮭をフライパンにならべて焼く。
 電気釜でご飯をたくことをのぞけば、料理はすべてガステーブルでするので、停電になっても加熱にはこまらないが、ファンがまわらなくなるので停電予定時間前に調理はすべて終了。テーブルにろうそくを準備して、各自がペンライトや懐中電灯を一本身につけることにする。
 
 結局、昨夜は停電はなかった。今日はまた今日の風が吹く。窓の外の陽の光が本当にきれいだ。