Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2009/04/13

朝の光、ローレルの花

今年もまたローレルの花が咲いた。

 桜、レンギョウ、すみれ、ユキヤナギ、チューリップ、コデマリ、ハナズオウ、と鮮やかな色の花々が咲き乱れる春に、人目につかずにひっそりと咲く、月桂樹の花。
 
 秋のうちから、固い拳のような、ちいさな花蕾を準備し、冬をやりすごして春を待ち、ほかの花々がにぎやかに咲いて散るころ、ゆっくりと開く。
 色も、青磁を思わせる薄い半透明の緑色をさらに薄めたような色あいで、まことに地味。花のまんなかに少し濃い黄緑色の芯がのぞく。幹から交互に伸びる葉の付け根のところに茎を立ちあげ、その先に、いくつかの花が房になって咲く。

 コデマリもハナズオウも、わたしが育った北の土地にはなかった植物。もちろん月桂樹もそう。

 開花の時期が、今年は昨年よりも1週間ほど早い。


撮影:M.M.