Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2008/04/21

ローレルの花

 今年はめずらしくローレル(月桂樹)の花が咲いた。いまの住居に引っ越したのが秋だったので、翌春まで待って移植した。丈がまだ1メートルほどの、根元から二股に分かれた細い木だった。
 そのうちの1本はその翌年の春、円盤のように回転する電動芝刈り機に、根元部分の樹皮をぐるり剥かれてしまい、しばらくしてから葉が黄ばんできて、だんだん枯れていった。樹皮を剥ぎ取られた部分を軽く押すと、ポキリと折れた。いくら太陽と水分の恵みがあっても、維管束部分をやられると生命を維持することはできない。それでも、折れた細い幹の下部からつぎつぎと新芽が出て、いまも上へ上へと伸びている。

 今年花が咲いたのは、無事だったもう1本のほうの幹に伸びた枝だ。すでに2メートル以上の高さになった。移植からちょうど4年目の春、花が咲いたことになる。
 とてもかわいらしい、半透明のちいさな花。花弁が4枚。花のまんなかに黄緑色の、こんもりとした花芯がある。