Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2008/01/10

読書、切り抜き帳(1)シュライナー、ゴーディマ、レッシング

 「南部アフリカから出てきたもっとも著名な三人の女性作家──オリーヴ・シュライナー、ナディン・ゴーディマ、そしてドリス・レッシング(彼女は「アフリカの作家」というレッテルを貼られることを好まないが、自分の感受性がアフリカで、アフリカによって、形成されたことは率直に認めている)──は誰もハイスクールを卒業していない。三人とも実質的には独学で学び、三人とも畏怖すべき知識人となった。このことは隔絶された、帝国の周縁に身を置く、思春期の少女たちが渇望してやまなかった生活、自分が切り離されていると感じていた精神生活を、彼女たちがどれだけ烈しくもとめていたかについて、あることを語っている──その烈しさが、本国で育った大方の少女たちのものより、途方もなく強かったことが明らかになっていったのだ。それは、少女たちが受けた教育の──家庭的であることを彼女たちの究極の宿命とする──歯車のすべての過程で加えられていた重圧が、いかに気まぐれなものであったかについてもまた、あることを語っている。」
       J.M.クッツェー著『Stranger Shores』──p288より